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ジャパン・レール・パスは問題だらけ(135)

  • 執筆者の写真: K
    K
  • 2023年4月17日
  • 読了時間: 5分

ジャパン・レール・パスが2023年10月頃を目処に、サービス改定となる。

値段が大幅に上がるとのことで、詳細はそれら記事を見ればわかるとおりだが、

例えば7日間のグリーン車であれば、

現状指定代理店で購入すれば4万円しないところ、改定後は7万円になるそうで。

もうほぼ2倍の感覚だ。

かわりに現状乗車できない「のぞみ」と「みずほ」に関して、

乗車前に専用切符を購入すれば乗車できるようになるらしい。


だけど、ここは声を高らかに言っておきたいが、

そんな改定する前にやることがいっぱいあるだろう、と。

この4月にジャパン・レール・パスを使用して日本をあちこち行ってきた身として、

経験から現状の問題点を書いておきたい。


問題点は、ずばり、

  • 窓口の大行列

  • 満席すぎ(原因あり)

の2点だ。

ひとつずつ書き記しておく。


窓口の大行列

まず大前提としてジャパン・レール・パスを受け取るために、

必ず1度はみどりの窓口へ出向く必要があるということ。

そこで在留届やパスポートなどを見せて、本人確認と海外在住確認をして初めて、

ジャパン・レール・パスを受け取ることが出来る。

ところが、このみどりの窓口が連日大行列なのだ。

早朝に行ける人は是非朝一番に行くことをおすすめするが、

日本に旅行に来るフライトスケジュールの関係もあって皆が早朝に行けるとは限らないだろう。

自分が利用したのはJR大阪駅のみどりの窓口だったが、朝早かったにも関わらず40分ほど並んだ。

その後昼には1時間半待ちという人がいたほどなので、まずこの時点で一度日本が嫌いになるだろう。

窓口でプリプリ怒っている外国人が隣りにいたが、

「もう二度と利用しない!」と何度も声を荒らげていた。

「あなたからは見えないかもしれないが、大行列なのよ!」

「カウンターはすべて開けるべきでしょ!」

「旅行のスケジュールが台無しよ!」

といった内容だ。


これはほんとおっしゃる通りで、みどりの窓口は、

はっきりいってまったく対応できていないレベルだ。

しかも、ジャパン・レール・パスを受け取った人はもれなくそこで新幹線の予約をすることになる。

1週間、もしくは2週間分の予定をあらかじめ立てているのだから、

その分すべての新幹線の座席を予約するのは当然だ。

実際やってみてわかったが、これにすこぶる時間がかかるのだ。

ジャパン・レール・パスを受け取り、1週間分の座席予約をすべて終えるまでに、

20分はかかったと思う。

一人あたりのカウンター滞在時間がこんな具合なので、大行列はどんどん伸びるばかり。


ジャパン・レール・パスをWeb予約していた人は、Webから座席予約が出来るらしいが、

代理店から購入したほうが安いので代理店から購入している人が多いはずだ。

そして代理店から購入した人は全員この洗礼を受けることになる。

これは早急になんとかしないと、

日本の観光レベルは世界中に醜態をさらし続けることになる。


満席すぎ(原因あり)

さてこの大行列を乗り越えて晴れてカウンターまでたどり着いた後に、

さらなる試練がある。

それはもう座席が満席すぎて予定していたスケジュールで移動不可能、

ということだ。

1週間先の新幹線の座席がないのだ。

平日の昼間が大人気だ。

外国人は皆、午前中に宿をチェックアウトして、次の観光地へ移動する。

そして夕方までには到着していたいと思っているだろう。

なので、11時くらいから13時くらいまでの新幹線が満員御礼となっていた。

仕方がないので、14時の座席や15時の座席を探してもらい、

家族で一緒に座れなくてバラバラになりながらもなんとか座席を確保した。


ところが、実際にその新幹線に乗ってみてようやくこの「満席すぎ」る原因がわかった。

なんと、乗ってみると席はわりと空席が目立つのだ。

「満席」と表示されているにもかかわらず!

理由は、外国人がキャンセルをしないで「No-show」するからだ。


まぁ気持ちがわからんでもない。

こんだけ混雑しているのだから、とりあえず空いている席を予約しておかないと、

まったく身動きが取れない。

だが後にやはりもっといい日付の便がとれれば、

それを取っちゃうだろう。

これによって、

「実際は空席」

なのにも関わらず、カウンターでは、

「その便は満席です」

と言われてしまう現象が多発している。

そしてこれは都市伝説だが、同日の別時刻のチケットも取り放題、なんて話も。

11時の新大阪→東京、

12時の新大阪→東京、

物理的にこの2つともに乗ることは不可能なのだが、

これが取れちゃうなら、皆、満席を怖がってとりあえずおさえるはず。

同じカウンターでこれは無理だろうが、別の駅のカウンターに行けば可能なのでは。。


まぁとにかく、空席があるのに満席すぎて、

日本の観光は移動がままならないという醜態をさらしている。


何年か前にもジャパン・レール・パスを使ったことがあったが、

その頃は、「なんか牛タン食べたい」と思いついて仙台に行くとか、

「なんか屋台で焼きラーメン食べたい」から福岡へ新幹線で、

というノリでその場その場で乗れたものだ。

これこそがジャパン・レール・パスの醍醐味だと思っていたが、

いまでは、事前に決めていた観光地に移動するチケットすらとれない謎のパスになってしまった。

そして、ジャパン・レール・パスではのれない、「のぞみ」はガラガラなのだ。

平日の昼間。そりゃそうだろう。

外国人観光客が乗らないのだから。

ということで、

ジャパン・レール・パスをせっかく購入して日本に来たにもかかわらず、

仕方がなく「のぞみ」を普通に購入して移動する羽目になっている外国人もいた。

まったく大きな無駄遣いだ。

そのお金で美味しい日本の夕食を楽しめただろうに。


この10月に価格改定されることで、

ジャパン・レール・パスのお得感は消え去る。

そうなれば新幹線の予約も取りやすくなるのだろう、ある程度。

だが、それはなんか違う気がする。

訪日外国人が増えすぎて物理的に新幹線の座席が足りていないのであれば、

仕方がないのだが、

実際には解消できる問題が起きている。

少なくとも、みどりの窓口のカウンター対応は、

とにかく今は、すべてのカウンターを開放して、

さらに追加の人員も用意して捌くべきだろう。

せっかくの素晴らしい日本観光の出鼻をくじいてほしくない。



新幹線から見えた富士山、荘厳。





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