親の思い通りにはならないでほしい(140)
- K
- 2023年5月27日
- 読了時間: 4分
自分の人生が予測不可能で想定通りにはいかない、という話は書いたが、
同様に、子供ってほんと思い通りにはいかない。
体幹が強くなって欲しいとか、リズム感をつけて欲しいと思って通わせたダンススクール。
キレッキレのダンスが出来る小学生になるかと思っちゃったけど、
実際は全然だった。楽しんではいたようだけど。
チームプレイ系のスポーツ出来るとなにかといいんじゃないかと思い通わせたサッカースクール。
小学生になるころにはかっこいいドリブル決めてくれるかもと思っちゃったけど、
実際はおままごとに毛が生えた程度だった。あまり楽しんでもいなかった。
逆に自分が水泳やっていたので別に速く泳げても人生であんまりメリットないと思ってたから、
そんなに応援もしなかった水泳は、なぜかメキメキと上達して、
学校に入っても水泳部に入っちゃったり。
友だちと遊んでばかりの長男に、武道の精神などを理解してほしいなと思って、
自分が空手を習い始めるタイミングで誘ってみたが、バレーボールやりたいし、
格闘技に全く興味がないし嫌だと。
逆にチームスポーツをはればいいのになぁと思っていた次男が、
自ら空手を習うと言い出す。
学業やスポーツやその他趣味に関しても、
ほんとうにいちいち思い通りにならないのが、我が子である。
でも、
それでいい。
大いにそれでいい。
どんどん予想を裏切ってほしい。
ホリエモンが、
長野立てこもり事件についてYoutubeで話していた。
「逃げろ。」
「親の言う事聞くな。」
「がぁーってなって人に迷惑かけんな。」
いっぱいいっぱいになって人殺すくらい追い詰められる前に、
逃げ出せ、と。
親なんて大したことないよ、と。
田舎で押し付けられて息苦しいのはわかるし、そんなことになんの意味もない。
というような内容だ。
ホリエモン自身も大学やめるときに親が怒鳴り込んできたらしい。
親ってそんなもんだ。
自分の親もまさにそうだった。
高校生の頃から、やることなすこと反対された。
もちろん、反対されるようなことをやっていたのは自分だから、
今思えば親の発言は当然だった。
大学4回生になっても就活し始めなかったので、
親がコネで大企業の就職を紹介してくれたりした。
でも全然行きたくなかったので、内定確実だったにも関わらず、
面接に行きもしなかった。
当然、怒鳴られた。そりゃそうだ。
そして先輩に誘われた会社になんとなく就職したくせに、
たった8ヶ月で会社を辞めて独立起業してしまった。
辞めた後で事後報告に実家に行った時は、
それはそれはもう、呆れと怒りと悲しみとが混ざり混ざったような表情で文句を言われたものだ。
親は親の世代の価値観で生きているのだから、
その価値観的によかれと思ったことを押し付けてくるものだ。
世代が違うし時代が違うので価値観はアップデートされるべきだけど、
何十年も脳にあり続ける価値観をアップデートできる人などほぼいない。
幼稚園の砂場で習うような普遍の価値観に基づいたアドバイスはさておき、
仕事や生き方などに関する親のアドバイスは聞いたところで相当に時代から遅れてしまっている。
なんでもかんでも「親の言うことを聞くな」という意味ではないけども、
自分を振り返っても、仕事や生き方に関して「親の言うこと」を聞かなくて本当に良かったと思っている。
あのとき就職先紹介を断っていなかったら、まだ日本国内で働いていただろう。
あのとき会社を辞めて起業していなかったら、シンガポールで子供に教育を受けさすことはなかっただろう。
親の言うことを聞かなかったことで、
親の価値観を振り切って逃げだしたことで、
今の自分のこのライフスタイルが手に入っている。
もちろん、それなりに苦労はしたし、死ぬんじゃないかと思ったことも何度かあった。
それでも、「あのとき親の言うことを聞いていたら」と考えると、怖い。
絶対に今の人生にはならなかったわけだから。
自分の子供も、きっとこれからも思い通りにはならないだろう。
でも、それがいい。
時代は我々の時よりも一層速く移り変わっている。
価値観なんて、毎年アップデートが必要だ。
古臭い自分の価値観を子供に押し付けようとは全く思わない。
逆に自分が置いていかれないように子供に教わることも多い。
3年後の未来が想像できないような面白い時代に生きているわけやから。
というわけで、どんどん自分の思う通りに羽ばたいてほしいと思う。
親にできることなど、彼らを全力で応援すること以外ないのだから。
