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ピアノが弾けなくなった話(177)

  • 執筆者の写真: K
    K
  • 5月22日
  • 読了時間: 2分

親戚にピアノの先生がいたということもあり、

幼い頃、気がついたらピアノを習っていた。


最初はピアノ教室のグランドピアノの下を這いずり回っていた程度の記憶。

そのうち小学生にもなると、

「◯◯くん、ピアノ弾くんや、男のくせに」

など言われ、もっぱらピアノが嫌いになったけど、

発表会などには定期的に出ていたし、母親監視のもと毎日30分は最低でも練習させられていた。


そのうち中学生にもなると、

「◯◯くん、ピアノ弾けるんや、すげーー」

など言われ、もっぱらピアノは自信が持てるひとつの特技に。

そんなおかげもあり、友人とバンドを始めたときはキーボード担当からスタート。

音符が読めたり、絶対音感が重宝されたりで、

ギターも始めたり。


そのうち高校生にもなると、

発表会とかはさすがに恥ずかしくなり、

クラッシックな曲とかは全く楽しくないし、

自分で流行りの曲を耳で聞いて弾く、みたいな、

もっぱら気晴らしの道具に。


シンガポールに移住してからも、

電子ピアノを部屋に置いていたし、

日本に帰国が決まった友人から電子ピアノではないピアノをもらったりで、

常にピアノは家にあった。


でも実は、いまはピアノが弾けない。

右手が思うように動かなくなったので。


10年ほど前に、いわゆるボクサー骨折というものをした。

ボクサーでもないのに。

なぜに拳を粉砕骨折したのかはさておき、

とにかく、右手の形がなんとかもとに戻ったのが幸いなほど、

粉々だったので。

術中、術後の写真を見たときは自分でもひいた。

完全なサイボーグ。


以降、金属は取り外したけど、

右手の薬指と小指が個別には動かない。

薬指を動かすと小指はピンと伸びてしまうし、

小指で鍵盤を押す動きをすると、薬指が連動して動いてしまう。

あと、常に薬指が一弾下に下がってる感覚で、薬指を鍵盤から完全に離すことができない。

薬指で鍵盤を押すか小指を握り込むと拳に痛みが走る。

などなど。



もう10年近く経ったので、

今はなんとも思っていないけど、

当時はまぁまぁなショックを受けた。

おじいさんになったら、適当な飲み屋でもやりながら、

気ままにジャズピアノでも弾く人生もいいなと思ってたからだ。


まぁでもそれはそれで仕方がないので、

老人になったときに暇をつぶす趣味は別で作っておこうと思う。



日の出マーライオン。ピアノ弾いたら気持ちよさそう。





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自分にも40歳がやってきた。

We don’t stop playing because we grow old;

we grow old because we stop playing.

​​何かを始めるには良い歳だ。

© 2019 Time to move on. - 40歳がやってきた

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