時間の流れは「過去から未来」か「未来から過去」か(105)
- K

- 2022年3月8日
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表題の議論に関しては、結論から言うと、
時間の流れは、間違いなく「未来から過去」へ流れている、と思っている。
独特な個性の有名人はよく、「未来から過去」派なことを公言しているので、
ちょっと変わり者のひねくれた考え方だと思われるフシがあるが、
これはすごく合理的な考え方だと思っている。
未来が先にあって、
その後に現在があって、
更にその後に、過去がある。
とは、どういうことか。
例えば、1ヶ月後に楽しみにしているイベントがあるとする。
一日一日と日が経つにつれ、そのイベントはどんどんと近づいてくる。
そして2日前、1日前、と近づいてきて、イベント当日を迎えたときが現在だが、
もうその瞬間からどんどん過去へと流れていく。
まさにイベントは未来から現在へ、そして過去へと流れていった。
このように、時間の流れは未来からまず決まって現在があって、そしてそれが過去へと渡っていくわけだ。
「人志松本のゆるせない話」かなにかで、
野性爆弾のロッシーさんが、
「歴史の授業は逆から教えるべきだ」という趣旨のことでゆるせない思いを語っていたのを覚えている。
縄文時代から教えてもわからない、
現代史からどんどん過去へと進んで教えていけばいい、と。
これも、
ある意味では的を得ている。
要するに、時間の流れに沿って教えていったほうが、理解しやすいよ、ということだ。
実は少し異なるが、似たようなことを大学生のときに思ったことがある。
建築学科に在籍していた時。
入学して、いきなり構造力学など習っても、
それが未来の自分にどうつながることなのか、さっぱりわからないので、
全く興味が持てなかったのだ。
そもそも計算をするために建築学科に来たと思っていないわけだし。
今振り返ってみても思うことだが、
例えば、この学科を卒業したらどういう職業があるのか、ということから先に教えてほしかった。
なんせ当時はインターネットもしょぼしょぼな時代。
大した情報を得られなかった時代だからなおさらだった。
大学を出たら、
デザイナーになって空間を創り出す仕事もあれば、
そういう人が描いた建築物を、いかに壊れないように建てるかを構造計算する仕事もある。
構造計算をする仕事を選ぶのなら構造力学をマスターしておくべきだ。
というようなことを、先にいろいろ丁寧に聞きたかった。
建築学科を出たらどういう仕事、職業、道がある、ということが「未来」。
「未来」が先にあるからこそ、
「現在」という今があるわけだから、
先にそっちを教えてくれないと、今の勉強の意味がいまいちよくわからないし、
自分でえらぶというより、押し付けられてやってる、ということに近い感じになる。
1年後の自分はこうなっている。
そう決めるからこそ、半年後にはこうなっている必要があるし、1ヶ月後にはこうなっている必要がある。
だからいまこれをやるんだ。
これがものすごく合理的だ。
もっと短くても同じで、
明日のテストで100点取る自分、が先にあるからこそ、
今3時間集中して復習する自分、が次にある。
そしてテスト当日見事やりとげ、1日後に100点の答案が返ってきたらもうそこからは、
100点を取った自分、という過去がどんどん過ぎ去っていくだけだ。
未来から現在を見る。
なぜなら未来が川の上流だからだ。
現在、川の中に自分が立っている場所より下流が過去だからだ。
水が上流から下流に流れるように、時間も未来から過去へと流れていく。
この歳になると、10年後の未来からは今が見えにくいけど、
1年後の未来の楽しい自分が近づいてくる感覚はいまでもワクワクする。



