マインドマッスルコネクションと本気の出し方について(088)
- K

- 2021年1月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年2月25日
2020年はコロナ禍で実に10ヶ月連続でシンガポールから出ない生活をした。
国内線がない狭い島国シンガポールなので、国内旅行というものもない。
ということは、
10ヶ月連続でほぼ自宅にいたということだ。
自宅に居続ける生活の中で、回数が増えたものは筋トレだ。
40歳から真面目に筋トレをしたが、
定期的にやるというよりは、シンガポールにいる期間に数日おきにやる、というスタイルだったため、
海外出張などが毎月入っていたことを考えると、頻度は相当低い方だったと言える。
しかし、海外出張が皆無な10ヶ月、筋トレを休む名目がない。
ということで、平日は毎日短時間小分けでやる、
もしくは、1日おきにいくつかの部位をまとめてやる、
ということを実直に守ってきた2020だった。
その中で、生まれてはじめてマインドマッスルコネクションというものを意識し、
それに関して学びを得た。
名前だけは知っていた。
でも、効果があるなんて実に疑わしかったし、
精神論かと思っていたので、真面目に考えたことはなかった。
・筋トレ効率を上げるために必要なもの
・力の出し方がわからない、それを解決する方法
・コネクション出来たあとは、筋肉をピクピク出来る
まず、1.に関して。
筋トレの効率をあげるには、栄養、休養、フォーム、などなどいくつも要素はあるけれど、
その要素のひとつにマインドマッスルコネクションというものがあるということ。
Mind Muscle Connection、略してMMC。
これの重要性に気がついたのは、他でもない、我が子と筋トレをいっしょにやったからだ。
小学生高学年ということもあり、家でじっとしていてはパワーが有り余ってしまう。
なので、家の中で出来る運動ということで、HIITや筋トレを一緒にやることにしたわけだ。
そこでわかったのだが、
例えば、
「胸に力入れてみ」
「お腹に力入れてみ」
これが、子供には「わからない」ということだ。
どうやってその部分に力を入れるのかがわからない。
これって当たり前にわかっている大人からするとまぁまぁ衝撃的ではなかろうか。
「わからないから教えて」
と言われたところで、こちらは当たり前にできているので「教え方がわからない」わけで。
そこで調べてみたところ、神経系の発達、要はマインドマッスルコネクションというところにたどり着いた。
これは実に興味深い上に、納得のいく理屈だった。
人間は脳で筋肉を動かしている。
脳から出た糸が、脊髄を通って様々な筋肉に繋がっている。
その糸が神経というわけだ。
なので、脳がその筋肉を動かそうとすれば、糸をたどってその司令が伝わり筋肉が動く。
ところが、神経系が未発達な子どもたちは、まだその糸が筋肉とつながっていない箇所が多いわけだ。
なので、脳でその筋肉を動かしたいと思っても、動かないし、動かし方がわからない。
では、2.どうやってそれをつなげていくのか、
それは、そこを強く強く意識をしながら筋トレをすることだ。
ダンベルプレスをやっているときに、強烈に大胸筋を意識しながら行う。
腹筋をやっているときに、腹筋を目で見ながら、指で触りながら、意識しながら行う。
こんなことが何の意味があるのか、などと思っていた自分は大いに反省をした。
2020年9月8日にこんな記事が出た。
なんと片腕の上腕二頭筋を鍛えることで、もう片方の上腕二頭筋も何故か鍛えられてしまった、
というなんとも不思議な研究結果だ。
研究内容を簡単に書くと、
片方の腕を固定し、もう片方の腕でエキセントリック運動による筋トレを4週間続けたところ、
動かした方の腕の最大筋力は21.4%増加し、
さらに動かしていない腕の最大筋力が12.7%も増加した、ということだ。
メカニズムはまだ未解明だが、
筋トレしているときの脳の働きが関係しているという仮説。
右腕でダンベル持ち上げるときに左脳が活性化、
それにつられて右脳の同じ部分も活性化して似た信号を左腕にも送る。
その結果、動かしていない左腕の筋力も上がる。
どれほど、意識をすることが大切なのか。
なんなら筋トレしなくても、脳が意識するだけで筋力がアップしちゃうかも、というわけだ。
ということで筋トレで重い重量をあげることよりもなによりも、
まずは神経で脳と筋肉をつないであげる作業、これが優先される。
そのためにも、子どもには思いっきり鍛えている筋肉を意識することを第一に伝え、
重量は二の次にしたところ、
徐々に力の使い方、力の出し方がわかってきたようなのだ。
数ヶ月経った頃、
「お腹に力入れてみ」
というと、腹筋に力をフンッと入れれるようになった。
その時の子供の喜びっぷりは相当なものだった。
で、イメージだがその神経の糸の太さが太くなってくると、3.だ。
もう何年も前に、モデルの美女が「おっぱいを自由に動かす」動画を公開して話題になったように、
大胸筋を左右交互に、または同時に、ピクピク自由自在に動かせるようになるわけだ。
まだ子どもはそこまでは出来ていない。
というかそこまで大胸筋が発達しているわけもない。
けど、神経は繋がったはずなので、いずれ大きくなるに連れ大胸筋も大きくなった暁には、
音楽に合わせてピクピク動かすことが出来るようになるのだろう。
自分としては、大胸筋をピクピクさせることは学生時代から出来ていたように思うが、
ただこの歳になってもきっとまだまだ動かせていない筋肉があるんだと思う。
神経の繋がっていない、または繋がっていても切れそうなほどに細い、部分があるんだと思う。
実に奥深い。
で、このマインドマッスルコネクションを理解するに当たり、
「あぁ、これは本気の出し方、という部分に似ているな」
と思った、という話は次回書くことにする。
長くなったので。



