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フライトにもホテルにも拘りがなくなった話(147)

  • 執筆者の写真: K
    K
  • 2023年7月8日
  • 読了時間: 6分

コロナ禍以前、

毎週のようにシンガポールから何処かへ出張していた時代。

当時はフライトもホテルも、

ポイントを貯めて、エリートなステータスを維持することにこだわっていた。


フライトは基本的にはシンガポール航空しか使わなかったし、

ホテルはマリオットグループ(旧SPGグループ)しか使わなかった。




そうなると当然、ステータスはそれぞれで最高のものを獲得することになる。




なので、例えばシンガポールの空港では必ずシンガポール航空のラウンジが利用でき、

東京羽田の空港では同じスターアライアンスメンバーであるANAのラウンジが利用できた。

空港で時間が余っても、WiFiもあれば食事も無料だしお酒も無料だ。


たまにシンガポール航空が飛んでいない路線の場合は、

空港のラウンジではプライオリティ・パスを利用してラウンジに入っていた。

クレジットカード付帯のプライオリティ・パスのお陰で、世界中の様々な空港で、

WiFi、食事、お酒付きのラウンジを無料利用できた。




ホテルはマリオットグループは世界中に展開しているので、

その都市その都市で見つけることは容易だ。

ステータスが高ければ、

一番安い部屋をとっていても、アップグレードでいい部屋になるし、

時にはスイートにもなる。

満室でない限りは好きな時間にチェックイン出来るし好きな時間にチェックアウト可能だ。

早朝チェックイン、深夜チェックアウトなんてことも可能だった。


また、クラブラウンジがあるホテルでは、

いつでも無料でお茶と軽食がある。

カクテルアワーには食事とお酒が無料、朝食も当然のように無料で食べることが出来た。


そんな出張を10年以上続けてきたことで、ライフタイムステータスを取得もした。

一生、そのステータスを維持できるというものだ。




これが当たり前だったし、それ以外の選択肢はなかったし、

マリオットグループのライフタイムをとってしまってからは、

次はどのホテルグループのエリートを目指そうかな、などと考えていたくらいだ。




それが、Covid-19でストップした。

出張にいけないので、マイルやポイントを貯めようがない。

ステータスは各社の配慮でコロナ禍は利用と無関係に維持されたが、

いままでの自分の当たり前は、あっさりと消え去ってしまった。




コロナ禍が終わり、世界は通常運転になったが、

一旦なくなってしまった出張という概念はもう元には戻らないので、

自分としても、別に現地に行かなくてもいいよね、と考えるようになっていた。

家族との旅行以外での海外渡航は、コロナ禍が明けても全くしなかった。




そんななか、

オンラインミーティングが当然となったことで、

逆にオフラインで会うことの重要性は増したとも言え、

どうしても直接あっておく必要のある案件が出たので、

東京に久しぶりに単身の出張をした。

実に3年以上ぶりだ。


さて、フライトやホテルはどうしよう。

いままでならシンガポール航空とマリオットグループ以外に選択肢はなかったが、

なんせ、そこにこだわる当たり前だった概念はすでに消失している。

どこでもいい。


なので、スカイスキャナーを使ってフライトを探してみると、

今回は羽田行きはJALが安かった。

もしも羽田にLCCが飛んでいたならLCCを選択しただろう。

そんなわけでこだわりのなさからJALを選んだ。


ホテルは東京のアポイントメントにできる限り近い場所にしよう、というモチベーションしかなかった。

なのでAgodaで検索。

一番近かったアパホテルを選んだ。

実にアパホテルを利用するのはこれが初めてだったが、

こだわりをなくした自分には場所以外のことはどうでもよかった。




さて、初めて泊ったアパホテルはどうだったのかというと。

自分でも驚いたが、実に実に快適だった。

部屋はめちゃくちゃ狭い。

でもこの狭さが、なんとも便利で、

なんでも手の届く範囲にあるからベッドからの動きが最小限なのだ。


マリオットグループに泊っていた頃は、

朝ジムを利用するのでジムがないと嫌だったし、

少し広めでビューもいい部屋がいいなと思っていたし、

軽く仕事しながらお茶を飲むクラブラウンジは重宝していた。

そしてそういうホテルに泊まらないと、

仕事で最高のパフォーマンスが出せないと思っていた。

(実際自由なチェックイン・チェックアウトは仕事には便利だったけど)


アパホテルには当然、

ジムはないし、

足の踏み場もないほど部屋は狭いしビューなど皆無、

もちろんラウンジなどあるはずがない。


それなのに、なんとも快適に過ごせたのだ。

風呂シャワートイレは申し分なく便利な仕様になっているし、

ベッドサイドで空調も快適に管理でき、実に機能的な作りだ。

狭いからこそ集中もできる。

その上、値段が安い。




こだわりは単なる習慣である、とわかるいい機会だった。

あのこだわりというか情熱的なものはなんだったのか。

なんでそんなにもシンガポール航空とマリオットグループに固執していたのか。

定期的に見直す必要があるな。


今後、ひとりで日本に出張するときには設備がいいビジネスホテルで決まりだなと思っている。

日本以外ではなかなかそういう格安なのに機能的なホテルは見つけられないだろうが。




一方で、

フライトはどうだったのかというと。

JALは当たり前に全く問題がない。

が、辛かったのは羽田空港での待ち時間だ。

なんと、

羽田空港にはプライオリティ・パスで利用できるラウンジがない。

ないのだ。

そんなわけないだろうと。羽田空港は世界でも評価の高い空港だぞと。

でも、なんと、本当にないのだ。

コロナ禍に一時期ANAラウンジがプライオリティ・パスで利用できたらしいが、

それも利用者が増えるに連れキャパオーバーとなり2023年1月で元通り終了した模様。


気を取り直して、さすがにカードラウンジはあるだろうと調べると、

たしかにあった。

ただカードラウンジはゴールドカードから利用できてしまうので、どうかなーと思っていたが、

案の定、長蛇の列が出来ている。

しかも並んで入ってみたら、それはソファとコーヒーお茶があるだけの狭いラウンジだったので、

即退散。

実に居心地が悪い空間だった。


航空会社のステータスがない人にとっては、

羽田空港のイミグレーションを超えてしまったらそこはもうなにもない。

あるのは滅茶苦茶混んでるフードコートか、

狭くて混み合ったカフェだけだ。

仕方がなくゲート前の椅子で過ごすしかなかった。




ということで、

日本出張の旧スタンダード、

  • フライトはシンガポール航空。

  • ホテルはマリオットグループ。

  • 空港ではラウンジでカレー。

から、修正。

日本出張の新スタンダードは、

  • フライトもホテルも安いものでいい。

  • ホテルは立地だけこだわればいい。

  • 羽田空港へはギリギリにしかいかない。

だ。

ちなみに、

関西国際空港にはスターアライアンスのエリートメンバーですら入れるラウンジはないのでもっと地獄だ。


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鮨屋には相変わらず行ってしまう。日本で食べる鮨はコスパが圧倒的だからだ。

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自分にも40歳がやってきた。

We don’t stop playing because we grow old;

we grow old because we stop playing.

​​何かを始めるには良い歳だ。

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