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繰り返せる人と繰り返せない人(156)

  • 執筆者の写真: K
    K
  • 2023年9月10日
  • 読了時間: 6分

Netflixでやっている『LIGHTHOUSE』。

オードリー若林正恭と星野源がテーマに沿ってトークするシリーズ。

これの3話目が、長年思っていたことを言語化してくれていて、

非常に非常に共感したから観てみてほしい。




それは何かというと、

世の中には2種類の人間がいる、というお話。

同じことを繰り返せる人間と、

同じことを繰り返せない人間だ。


自分は思いっきり後者の人間なので、

この星野源のトークを聞いて、

何度も何度も頷いて、非常に非常に合点がいったのだ。

そうか、世の中には繰り返せる人間がいるんだ」と。




以前にも書いたと思うが、

自分は中学生の頃に、今で言うところの鬱病状態を経験している。

何が原因かしっかりと当時から理解できていて、

変わらぬ毎日が繰り返されることに生きる意味を見失っていたのだ。


  • 朝早く起きて、飯食って準備して電車に乗る。

  • 電車降りて自転車に乗り強烈な坂道を上って下って、学校に着く。

  • 午前4限、午後3限、計7限の退屈な授業を受ける。

  • 急いで自転車に飛び乗り強烈な坂を上って下りて、電車に飛び乗る。

  • 家に帰ってすぐスイミングの用意をして自転車に飛び乗る。

  • 20分程度の道のりを飛ばしてプールに飛び込む。

  • プールでみっちり2時間、激しく競泳練習をする。

  • ぐったりした身体で自転車に乗り20分こいで家に帰る。

  • 食事をかき込んで風呂に入ったら、宿題を終わらせる。

  • そして疲れ果てて寝る。

翌朝起きると昨日と同じことが繰り返されるだけだ。


学校に友達がいなかった訳ではないし、スイミングに友達がいなかったわけでもない。

なんならそれなりに友達と楽しくやっていたほうだ。


でもこの寸分たがわず同じことが繰り返される毎日に、

「ただ日々が過ぎゆくのを待っている

「これなら将来死ぬのも今死ぬのも変わらないんじゃないか」

程度の思考から始まり、

そのうち、なんとかして変化が起きないものだろうか、と考えるようになった。


  • 天災が起きれば、とか、

  • 事故が起きれば、とか、

  • 自分が大きな病気になれば、とか、

ついには、

母が倒れたとかになっても、自分はこの繰り返しから抜けれるなら楽しいと感じるかもしれない

というところにまで到達してしまっていた。

この到達点はいつ考えても恐ろしいものだ。


自分で自分の人生をコントロールできない中学生には、

もうグレるくらいしか選択肢が残っていなかったように思う。

「これは昨日もやったやんけ!

という憤りがグレるパワーになり、どんどんアホになっていき、

追試に追試を繰り返すどうしようもない中学生が出来上がるのに、

大して時間はかからなかった。


大学受験こそ、高校3年生の間は毎日勉強するという自分の目標があったから乗り切ったものの、

大学に入ればまた授業には殆ど出ず、毎日好きに暮らした。

バイトも慣れるとすぐに辞めて、

経験したことのないバイトを始めてしまう。


就職して会社に入れば、1-2ヶ月で全身のアトピーが復活した。

毎日毎日同じことの繰り返し。

強烈なストレスを感じてしまってワイシャツに血がにじむくらいに、

肌が荒れまくった。

きっかけは別にあったが、お陰で同期最速(8ヶ月)で退社してしまった。


例えば、住むところに関してもそうだ。

繰り返せない人間である自分としては、2年が限界だった。

だから同じところに住むのは最長でも2年。

大卒で社会に出てから30歳になるまでに5つの家に住んだ。


例えば、旅行に関してもそうだ。

繰り返せる人間は、去年ハワイに行ったとしても、

今年も来年も「ハワイに行きたい」という。

自分にはその感覚が全く理解できず、噛み合わないことが多かった。

どうせ行くなら、行ったことのない場所へ行きたい。

まだ自分が知らない新しいことを経験したい。

知らない食べ物を食べて知らない飲み物を飲みたい。

知らない人と出会いたいし、知らない街を散策したい。

同じ人と同じ街へ行きたいと今まで思った街は、バルセロナくらいだ。

一回自分が行って素晴らしいと思った街に、家族を連れていきたい、

とかはもちろんしばしば思うが。


  ちなみに、飽き性だからか、というと一概にそうとも言えない。

  彼女(今は妻)と出会ってから週5で通っていた居酒屋があるが、

  本当に毎日美味しすぎると思って食べていたし、

  行く人も毎回彼女(今は妻)だが飽きたことは一度もなかったし、なんならいまでも飽きてない。

  本当に素晴らしい、と思えるものに対しては毎日でも大丈夫なんだろう。


例えば、起業してから自分で起こすビジネスに関しても繰り返せない。

やりきったな、と思った途端、もうそれは繰り返せなくなってしまって、

売却したり譲渡したりして、また次のビジネスを始めてしまう。

自分の満足レベルもそんなに壮大ではないから余計にサイクルも早い。




こういったことが自分のスタンダードだったため、

繰り返せるタイプ、いやむしろ、繰り返したいと思っている人がいることが、

心の芯からは理解できていなかった。




ハムスターを飼ったときも、

この理解のなさから大いに誤解をしていたことがある。


ハムスターのような小動物は、

外敵から狙われることから、セーフハウスがあることを望む。

例えば、ケージにいつもいるのは可哀想だと考えてしまう自分は、

ハムスターをケージから出して自由に走り回らせてしまう。


が、これはハムスターにとっては大いにストレスで、

自分が把握していない危険極まりない外界に突如放り出された、という状況に過ぎない。

安全な場所を探して一目散に走り回り、調査を開始する。


猫なんかもそうらしい。

まぁ性格によりそうだけど、

うちの猫は基本同じ場所で同じ格好で常に寝ている。

起きるのはご飯の時くらいだ。


これじゃ可哀想だから外に散歩に連れて行ってやろう、という考えは、

猫にとってはありがた迷惑かもしれない。

なぜなら彼らは外敵から安全で、食事も必ずもらえるこの毎日が、

繰り返されてほしいと願っているのだから。

わざわざ外敵のいる外界に散歩などしたくはないのかもしれない。




こんなわけなので、

典型的な繰り返せないタイプの人間である自分は、

星野源が語った「繰り返せる人間がいる」という部分に、

あぁ、正式に分類してくれてありがとう、と感じたわけだ。




そして同じく繰り返せないオードリー若林が、

「飽きてるんすよ!」を連発し、

次に動き出したいのに、動き出せないことで、

毎日幸せなんですけど、ワクワクしてない

と言ったことに、猛烈に共感をさせていただいたのだ。




例えば、

自分はもうシンガポールという国に住むことに飽きている。

シンガポールが悪いとかでは決してない。むしろかなりいい。

ただ、自分はシンガポールでやりきったと感じているからだ。


だから次の国へ移住して全く違う生活をしてみたいと思っている。

でも、それは今現状動き出せない。

子供は今の学校を気に入っているし、頑張ってもいる。

しかもこの教育環境は悪くないどころか今のところ最良だと自分自身が思っている。

だから変えてあげたくはない。


まさに「次に動き出したいのに動き出せない」ことで、

毎日が幸せなくせに、毎日にワクワクしていないのだ。

なんだかモヤモヤしているわけだ。

このモヤモヤこそが、「繰り返せない人が繰り返しているから」に他ならない。





繰り返せない人にとっては繰り返す毎日はストレスだし、

繰り返せる人にとってはコロコロ変わる毎日はストレスだろう。

それは、普段の生活にどんなに恵まれていたとしても、

感じてしまうものなのだ。




子供が手を離れるまでは、シンガポールに住まわせていただく考えに、

今も変わりはない。

だが、なにかがなんとかして、

  • 子供の学校を変えない

  • シンガポール以外に住んでみたい

この2つを叶えられる方法が見つかれば、すぐにでも実行するだろう。




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大切な友人家族がシンガポールから去ってしまう。悲しいからおでんパーティ呼んでもらう。




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自分にも40歳がやってきた。

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