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シンガポールのHDBでは猫を飼ってはダメ(110)

  • 執筆者の写真: K
    K
  • 2022年10月1日
  • 読了時間: 5分

昨日、初めて知ったのだが、

シンガポールのいわゆる公団住宅であるHDBでは、なんと、

犬はいいのに猫は飼っちゃダメ、というルールがあるらしい。


不動産業者によると、非常に古いルールで、

これまでなんども見直すべきだという意見が出されているが、

いまのところまだ、猫をHDBで飼育できないとのこと。


コンドミニアムではもちろん、犬も猫も飼育が可能だ。

賃貸の場合はオーナーによるが、基本的にそれを禁止するルールがあるわけではない。


HDBで犬はOKなのに猫はNG

という理不尽に聞こえるルールは一体なぜなのか。


これはシンガポールは暑いため、HDBに暮らす人々は、

日中ドアも窓も全開(といってもドアは格子戸が付いてる場合が大半なのでセキュリティは大丈夫)、

という家庭が多い。

コンドミニアムに住む人は年中クーラーを点けっぱなしという家庭も多いが、

HDBではクーラーより自然の風を好む人が多い印象がある。


その場合、猫は持ち前のジャンプ力で窓から出てしまい

近隣トラブルや、迷子猫になってしまうパターンが多かったそうな。

犬にはそこまでのジャンプ力はない。

故に、犬はOKだが猫はダメ、というルールが始まっちゃったらしい。




そんなアホな、と。

飼い主だって猫を迷子にしたくないわけで、その程度のことは網戸で解決だろう、と。

そういう思いを抱かずにはいられないなんとも不思議なルールだが、

これがいまもなお、シンガポールに残っているというのだから仕方がない。


前回書いたように、

シンガポールは今、恐ろしいほど家賃が上昇している。

経験している人はわかると思うが、

もうノールックで家を決めるくらいのスピーディさがないと、

家が見つからないし、

なんなら、すぐにオファーしても、契約ができるとは限らず、

もはや、セリのようになっているのが現状だ。

ネットで賃貸情報を見ても、

$10,000/month のところに、Start fromと書かれているものがあり、

オファーのときに一番高い家賃出したやつが勝ち、という強気なリスティングもある。


いままで5,000$(今の為替で月50万円の家賃)だった人が、10,000$(月100万円)に値上げされた、

という例もなんら珍しいことではない今のシンガポールで、

我が家も今の家の契約がもうすぐ切れることから、

わりと焦り気味で賃貸物件を探している。


そんななか、

もはや子供も大きくなってきてコンドミニアムについてるプールで遊ぶかというとそうでもないことから、

別にHDBに住むという選択も出来るんじゃないか、

というところから、今回の猫問題が発覚したわけだ。


我が家には4年ほど前から、とてもかわいい猫がいる。

HDBに住むという選択肢は一瞬で消えた。




少し話が脱線するが、

物心ついたときから犬が家にいた自分としては、

ずっと犬はだったのだが、

社会人になったら、なぜか猫を飼い始めて、日本にいた頃は割りと常に猫がいる生活をしてきた。


今回シンガポールで猫と生活するのは初めてで、

病院で保護されていた猫を引き取って欲しいという話が来たのがきっかけだった。

異常なまでの人懐っこさに、なんてかわいい猫なんだろうと、

随分久しぶりに猫とともに生活することを決めた。


で、”今回も” なのだが、

健康な猫ではなかった。


初めて猫を飼ったのは、20代前半のころ。

大雨の夜に友達と車に乗っていたら、

国道のど真ん中に小さな小さな塊を発見。

車を止めて見に行くと、小さな小さな泥まみれの猫だった。

慌てて保護して家に連れて帰り、

シャワーで流すと、きれいなグレーの毛だとわかった。

弱っていてお腹が空いてそうだったので、餌を買ってきて与え、

そのまま一緒に暮らすことにした。


餌をうまく食べることが出来ない様子だったのもあり、

病院に連れていき、諸々検査もしてもらった。

そして病院で言われたことは、記憶にある限りでは、

食道が細くて弱いので、特殊な流動食しか食べられない、ということだった。

そこで、動物病院が出す医療用の缶詰を大量に購入することに。


その当時、会社をやめて起業したばかりで、

めちゃくちゃに貧乏だったので、これが結構ひびいた。

なんせ、自分の食べる一食分の食事の値段よりも、

遥かに高い値段の食事を猫に与えるわけなので、

一人暮らしだった自分にとっては、単純に食費が2-3倍だ。

その上、病院に連れて行くと動物なので保険がきかない。

毎回毎回当時の自分にはズシッと響く通院費だった。

自分の食事を毎日157円の立ち食いうどんとスティックパン1本という、

超ローカロリー、超不健康な状態に節約しながら、生活をすることになり、

もちろん人生で一番痩せていた。

なんせ必須アミノ酸も必須脂肪酸も全くとらずに、

少量の炭水化物のみ口にしていたのだから動いていたことが不思議なくらいだ。


2匹目の猫と3匹目の猫は、

ペットショップで購入した猫だった。

知識もなかったのでペットショップで買ってしまったが、

いまならブリーダーさんから買っただろうと思う。


その2匹も、飼い始めてしばらくしてわかったことに、どちらももともと病気があり、

ことあるごとに病院に通う必要があった。


なんで自分が飼う猫は、

健康なで長生きしてくれる猫がいないのか、

病院通いで高額な費用がかかる猫ばかりなのか、

持病ってなんなんだ、なぜ治すことが出来ないんだ、などなど。

まぁそのペットショップはかなりひどいお店だったようで、後々そういう事情もわかったけれども。

もうかわいそうな想いをするのが嫌なので、猫を飼うことはないだろう、

と思っていた。


そして、

シンガポールでひょんなことから、

病院の保護猫を迎えることになった。

すると今回も、問題が発覚した。

またも持病で、

市販の餌を与えることが出来ない。

病院で購入する特別な餌を与える必要があった。

あと、生まれつき心臓も弱く、水が溜まってしまうので、利尿剤が必要だったり、

ひどくなった場合は都度病院につれていく。

根本的な治療をすることは出来ないらしく、

おそらく長生きは出来ないとのことだった。


なんでまた、と思ってしまうが、

もうポジティブに考えるようにしている。

飼えない家にはやってこない。

ちゃんと世話をしてくれる家にやってくるんだと。

だから猫が生きたいと願う限りは諦めずに幸せに過ごせるようにサポートしたいと思っている。


そんなわけで、話を戻すと、

HDBに住むために猫を手放す、などという選択肢はありえないのだ。

そして我が家のことというわけではなく、

シンガポールにいる多くの猫好きのためにも、

早くルールの改善を願う。


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リスボンのMiradouro das Portas do Sol













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